飛行機で落ち着かないとき、機内でできること
搭乗が済んで、ドアが閉まる。到着まで、自分の意思では降りられない時間が始まります。
飛行機は、途中で抜けられない時間が数時間単位で続く点で、電車や会議とは少し条件が違います。そのぶん、乗る前の準備で変えられる部分が大きくなります。
予約・搭乗前にできること
座席を選ぶ
人によって落ち着く条件が違うので、これという正解はありません。目安として、
| 座席 | 向いていることがある人 |
|---|---|
| 通路側 | 立ち上がりたいときに動けるほうが安心する人 |
| 窓側 | 外が見えていたほうが落ち着く人。壁にもたれられる |
| 前方 | 揺れを感じにくい傾向がある |
| 主翼付近 | 同じく揺れが比較的少ないとされる位置 |
| 非常口列 | 足元が広い。ただし緊急時の援助義務があるため条件を確認 |
初めてなら、通路側の前方あたりから試すと調整しやすいです。
荷物に入れておくもの
- 飲み物(ペットボトル。手に持てるものがあると意識を向けやすい)
- 羽織るもの(機内は冷えることがあります)
- 耳栓かイヤホン
- 手に握れる小物
客室乗務員に一言伝えておく
「少し緊張しているので、気にかけてもらえると助かります」
これで十分伝わります。症状名を言う必要はありません。乗務員はこうした申し出に慣れています。言っておける状態にしておくこと自体が、負担を軽くします。
時間に余裕を持って空港に着く
保安検査に間に合うか気にしながら移動すると、搭乗前から消耗します。早めに着いて、ゲート前で落ち着く時間を取っておきます。
機内でできること
1. 吐く息を長くする
4 秒吸って、 8 秒かけて吐く。数字は目安です。口を閉じたまま鼻から吐けば、隣の人にはほとんど分かりません。
2. 5-4-3-2-1 で、いま目の前にあるものを数える
座席にいながらできます。
見えるもの 5 つ。座席の背。読書灯。窓の枠。前の人の頭。自分の手。
呼吸に集中するのがつらいときは、こちらのほうが取りかかりやすいことがあります(やり方はこちら)。
3. 足の裏と、背中に意識を向ける
床に触れている足の裏、シートに触れている背中。いま体が支えられている場所に意識を戻します。
4. 揺れたときの過ごし方を決めておく
揺れは飛行機で起きる普通の現象です。それでも落ち着かなくなるときは、
- 肘掛けを軽く握る(強く握りしめない)
- 吐く息を長くする
- 「これは想定内」と心の中で言う
5. 通路を歩く
シートベルト着用サインが消えているときに限ります。一度立って歩くだけで、閉じ込められている感じが薄まることがあります。
機内モードのこと
離陸前後や飛行中は、機内モードにするよう案内されます。
なぎもりの呼吸ガイドと 5-4-3-2-1 は通信を使わないので、機内モードでも動きます。ただし、電子機器の使用は機内の案内と乗務員の指示に従ってください。離着陸時に使用が制限される場面があります。
そういうときは、アプリなしでできる形にしておくと確実です。吐く息を長くすることも、見えるものを数えることも、道具なしでできます。
うまくいかない日のこと
準備をしても、フライト中ずっと落ち着かないままの日があります。
座席も選んで、乗務員にも伝えたのに、離陸の時点でだめだった。前回の便は大丈夫だったのに、今回は最初から落ち着かなかった。
そういうことはあります。
搭乗できたこと、席に着けたこと、到着まで座っていられたこと。それは実際にできたことです。
落ち着けなかったフライトがあっても、次のフライトが同じになるとは限りません。体調、睡眠、便の時間帯、同行者の有無で条件はかなり変わります。
長距離の予定を立てる前に短い路線で試す、どうしても不安なら別の移動手段を選ぶ。そういう調整も、ちゃんとした対処です。
よくある質問
- 客室乗務員に伝えてもいいのでしょうか。
- 問題ありません。「少し緊張しているので、気にかけてもらえると助かります」と伝えるだけで十分です。症状名を言う必要はありません。
- どの座席が過ごしやすいですか。
- 通路側は立ち上がりやすく、前方の席は揺れを感じにくい傾向があります。ただし窓の外が見えるほうが落ち着く人もいるので、両方試すのが確実です。
- 機内モードでも呼吸アプリは使えますか。
- なぎもりの呼吸ガイドと 5-4-3-2-1 は通信を使わないため、機内モードでも動きます。使用にあたっては、機内の案内と乗務員の指示に従ってください。
道具として
なぎもりは、電車や会議など途中で抜けにくい場面で不安が強くなったときに、音を出さずに呼吸を整えるための日本語のセルフケアアプリです。呼吸ガイドと 5-4-3-2-1 グラウンディングは無料で使えます(任意の有料プランもあります)。
発作時に使う機能は通信を使わずに動くので、機内モードや電波の届かない場所でも使えます。
iOS 版は準備中です。
本記事となぎもりは、医療行為・診断・治療を目的とするものではありません。症状が続くとき、つらさが強いとき、心配なときは、医療機関にご相談ください。緊急時は 119 番、またはアプリ内の相談窓口をご利用ください。